人体に益のあるエレメントを以って


一匹の蚊が俺を噛んだ。
かちんと来た後考えれば、面白くなる。
その蚊、馬鹿じゃないか。
俺の血を吸う時、毒素で痒くさせないほうがいいじゃないか。
俺はほんのちょっぴりの血ぐらいならかんかん怒るまでもないし、反って命一日限り、あてにならない血運で生を営む命に同情の気持ちがして自ら自分の美味しい血を捧げるかもしれない。
もし、毒素であるところか、人体に益のあるエレメントを以って報いければ、俺は喜んで交易するかも知れぬ。世の中にそういった相互提携によって命を続する生物が少なからず存在するのではないか。植物の例もあれば、動物の例もある。
無論、勝てば官軍負ければ賊軍というものを至上の法則と尊び、弱肉強食に従し、世界を敵としても惜しまない奴もいるだろう。
三つの選択あるね。君、何にするか。
仲間か、敵か、
それとも、俺の分身か。

俺の体に好戦の血が流れている。
戦って、戦ってこそ、尊厳あり。
俺は命を捨てられる戦いに大興奮する。
戦って、戦ってこそ、自由あり。
俺の奉じる鉄の則を君に教えよう、
活が戦、戦が活だが、勇を好みて、喧嘩するのではない。